こんにちは、TEAM WEBRIDです。
全3部作でお届けするクレーム対応②です。
悪質クレーマーへ対応の原則:説明は最低限で終える
責任ある組織の対応としては、お客様にご理解いただくために最大限の努力をすることは必要です。
しかし、明らかに
など、悪質ではないと言えないクレーマーに対しては、理解納得を得ることは事実上不可能です。
こちらとしては、必要な対応を繰り返すものの、事実上どこかで対応を切り上げることになります。
ただし、お客様である以上、伝える内容は事務的であっても、言葉遣いは丁寧さを心がけ、接遇面で礼を失することのないようにします。
こちらとしては事実のみを主張する
価値観に大きな開きのあるクレーマーや、利害関係が大きく対立するお客様に対しては、通常の説明ではなかなか納得が得られないのが現実です。
極端なことを言うクレーマーに対しては、こちらの考えをいくら説明しても好意的な反応はまず帰ってきません。
現実的に、心から理解や納得を得ることは難しいでしょう。
たとえ内容が、法的に世間一般の常識的に、かつ客観的に正しいものであったとしても、こちらの考えや方針の説明は、相手方に心情的なマイナスを与えることになります。
などと反論を受けることにつながります。
このような状況が予想される場合は、こちらの考え方や方針を、気持ちの部分では説明せず、事実だけを繰り返し主張することがポイントです
「事実」と「思い」は分ける
相手を否定するような考えは、言わないようにします。
過去の状況を主張することは、事実に基づいているので有効です。
具体例(データ、数字)を主張することも、事実に基づいているので有効です。
と言ってはだめです。
これは、結論を求めていることになります。
相手に納得してもらいたいというこちらの思い。
相手に理解してもらいたいというこちらの思いです。
事実のみを伝えることが大切です
ひとりでは対応しない
クレーマーの中には、大声を出したり、テーブルを叩いたり、時には脅迫的な発言をするなど、威圧的な言動を持って、迫ってくる人がいます。
目の前でそのような態度を取られれば、誰でも良い気持ちはしないものです。
嫌な気持ちになり、怖いという感情も持つかもしれません。
しかし、こちらは同じ手段を使うわけにはいきません。
こちらを威圧するクレーマーの狙いは、相手を怖がらすことによって、話し合いの主導権を握ることや、恐怖を感じさせて判断を甘くさせることです。
こちらが目指すのは、あくまで冷静な話し合いです。
このような状況で、こちらにできる最善の対応策は、複数の職員で対応することです。
凶悪クレーマーへの対応は、一人での対応は間違いです。
上司が対応するタイミング
上司を出せ、と主張するクレーマーの中には若い職員の説明では納得しない人がいます。
こういったセリフの裏には、
という狙いがあります。
上司を出せ、というセリフには、断ることが大原則です。
責任者によるクレーマー対応は、こじれた際に話が大きくなってしまうからです。
しかし、現実には上司が出た方が良い場合もあります。
また、上司がが出てくることで納得性が高まり、早期に問題が解決することもあるものです。
そのタイミングに法則はありません。
その場の状況や、相手の要求内容、相手方の人間性なども考えて、その場で判断しなければなりません。
また、上司が出ても、必ずしも上司だけが説明する必要はありません。
担当者が責任をもって説明することは、基本的には変わりません。
上司を出すタイミングは、次のことを考慮して判断します。
上司が出ることで問題が解決するとき
心構えとしては、次のイメージです。
「上司が来ても、同じ説明をします。」
「上司から説明をすれば、納得していただけるのですね、そのことを約束していただければ上司を呼んできます。」
上司が来ても、相手が納得しない場合、
「納得しないなら、私が説明します。」
といい上司に下がってもらうことが大切です。
上司が例外を認める必要があるとき
例外を認めることについて、担当者と事前に打ち合わせをしておくことが重要です。
相手の地位がそれなりに高い場合
組織に対して、組織からのクレームのようなケースになった場合は、相手の地位に合わせることは、間違っていません。
こちらが末端の社員で対応することで、失礼になることもあります。
相手側の組織が、それなりの地位の社員で交渉に出た場合は、こちらもその地位に見合った社員で対応することが望ましいことです。
警察へ通報する最終確認のため
不当要求行為を繰り返す人に、警察に通報する最後の警告を発する場合、上司を呼ぶ必要があります。
警察等への通報の判断は、責任者の役割です。
例外:担当者のストレスが相当高い場合
上司の前に、同僚や先輩がまずは同席してください。
担当者のストレス軽減になります。
また、直接クレーマーと会話をしていなければ、会話のやり取りを客観的に聞くことができ、担当者が困ったときに的確な助言ができることがあります。
記録を残す
クレーム対応では、記録を残すことはある意味では、必須事項です。
特に、悪質クレーマー対応では、証拠を残す必要があります。
積極的にメモを取り、その他の方法も含めて記録を残すようにします。
メモを取るなど、記録を残すことについては、相手方の許可を得る必要はありません。
記録をする事で、クレームを言う側は、あやふやな事が言いにくくなるものです。
部分的なキーワードをメモするような要約ではなく、発言そのものを記録することで、相手の暴言を抑制することが期待できます。
録音することも有効です。
録画する場合、顔だけの撮影は肖像権の侵害になる可能性があります。
風景を撮影するようにし、その映像の中に、たまたま人が写っているという状況にしてください。
記録を残す際に、相手の承認は必要か?
相手の承認は不要です。
規制する法律がありません。
ただ、感情論の問題はありますので、相手に合わせた判断をしてください。
対応を終わらせる判断
クレームの解決は、必ずしも、その時その場で行わなければならないというものではありません。
話が行き詰まったり、即答できない時などは、その場を一旦切り上げます。
いくら説明しても相手が納得しない場合、結局はこちらができていることを、言い続けるしかありません。
しかし、それも一定時間を過ぎたら、対応を打ち切らざるを得ないのが現実です。
次に、対応を打ち切る方法を記載します。
対応場所を変える
移動を促すことで、話を打ち切る効果があります。
暴力を振るう可能性がある場合は、公衆の面前で対応してください。
都合を理由に対応を打ち切る
こちらの都合を話し、帰ってもらいましょう。
それなりの時間が経過した場合や、同じ議論が3回以上繰り返されたら、その先に和解はありえません。
何かしらの理由を作り、帰ってもらいます。
クレーム常習犯の場合は、会話の出だしで、対応終了時間を告げておく
先手を打っておく技です。
先に、終了時間を告げておけば、会話を打ち切りやすくなります。
悪質な場合は、後日に引き伸ばさない
対応を打ち切る場合、次回の約束はしない方が賢明です。
後日来られても、今回の延長戦を行うだけであり、こちらの優位性が現れることはありません。
クレーム対応②悪質クレーマー編☆プロの対応策はこれ!【事例あり】のまとめ
今回は、クレーム対応①の基礎知識編から、一歩先、悪質クレーマーへの対応について、説明しました。
悪質クレーマーへの対応の様子が、かなりイメージできたと思います。
クレーム対応③では、ケース別、クレーマーのセリフ、キーワードに対する切り替えし言葉を解説します。
コメント