この記事を読んだらわかること
TEAM WEBRIDのメンバーが、とある中核市の中学校の卒業式に参加してきました。
新型コロナウイルスの影響もあり、市の教育委員会からの挨拶はなく、代わりに紙に印刷された告辞が配られました。
その表現が素晴らしかったため、「はなむけの言葉」の本当の意味に合わせて紹介したいと思います。
また、聞きなれない”告辞”というキーワードに合わせて、似たような言葉である式辞、祝辞、謝辞などの違いをレポートします。
はなむけの言葉の本当の意味
”旅立ちの時に贈る言葉”のことをはなむけの言葉と言いますが、皆さんはこの言葉の由来を知っていますか?
はなむけの”はな”とは花壇に咲く花をイメージするかもしれませんが、そうではなく馬の鼻を意味しています。
これは、人生の門出に際して、馬に乗って旅立つ人を見送る人が、”道中の無事を祈り目標の方向に馬の鼻先を向けた”ことから生まれた言葉です。
このように、人々は古来から、親しい人を見送る時に、”目標を定めしっかりとその方向に進んでいってほしい”と願っていたことがうかがえます。
告辞?祝辞?謝辞?式辞?違いは〇〇の違い
この卒業式に参加したTEAM WEBRIDのメンバーは、どちらかというと何かにつけて揚げ足を取りがちな性格です。
しかし、この度の卒業式における告辞の内容については、特に揚げ足を取るわけでもなく納得できた内容だったようです。
次節で紹介する前に、まずは告辞や式辞などの言葉の意味を説明します。
これらの言葉の違いは、述べる人の立場の違いにより定義されています。
卒業式を例に、表で説明します。
〇辞 | 述べる立場 | 具体例 | 述べられる立場 |
告辞 | 管理者 | 教育委員会など | 卒業生・保護者へのお祝い・はなむけの言葉 |
謝辞 | お世話をされた側の立場の人 | 卒業生・保護者 | 先生に対しての感謝の言葉 |
祝辞 | 来賓 | PTA会長・市長・同窓会会長・議員 | 卒業式列席者に対するお祝いの言葉 |
式辞 | 学校代表者 | 校長先生 | 卒業生・保護者へのお祝いの言葉 |
送辞 | 在校生 | 生徒会の在校生など | 卒業生へのはなむけの言葉 |
答辞 | 卒業生 | 生徒会会長など | 在校生へのお礼の言葉 |
令和時代の幕開けにふさわしい告辞
それでは、令和元年の中核市の中学校の、卒業式における素晴らしい告辞を紹介します。
今回紹介する告辞は、次のとおりです。
これから皆さんが生きていく時代は、急速な技術革新がもたらす人工知能や、情報通信の発達によって、新しく生まれる職業もあればなくなる職業もあると言われています。
世の中は、私たちの想像以上の速さで変化していることから、職業も、より多様化することでしょう。
皆さんの中には、将来の目標がなかなか定まらず、不安に思ってる人もいるかもしれません。
しかし、これまで積み重ねてきた経験は、あなたの大きな土台となり、一見無駄に思えたことも、あなたの視野を広げています。
そして、その経験は、様々な目標を立てる時に、必ず力となるのです。
このような、変化の激しい時代だからこそ、皆さんが自分の目標をしっかりと定め、さらに躍進されることを願って、はなむけの言葉といたします。
令和の時代背景を、見事に反映したはなむけの言葉であり、卒業する中学校3年生に限らず、現在社会人として生きている人にとっても、共感する分が多く、また自分の今後をも考えさせられる言葉です。
確かに、ここ数年の技術進歩は著しいものがあり、5年後10年後の世界というのは、現在からは想像のつかないことがスタンダードになっている可能性が十分にあります。
昭和の時代の10年間と、令和の時代の10年間では、比べ物にならないぐらいの速度で世界が変化していきます。
社会人として現代を生きているあなたも、この言葉から考えさせられることはたくさんあるはずです。
など、社会人として様々な立場の人がいます。
どのような立場にあろうとも、経済的格差が大きかろうとも、時間の流れは平等です。
これからの時代は、今まで以上に私たちの想像以上の速さで世界が変わっていくということを自覚していることで、新たな時代での躍進具合は大きく変わるに違いありません。
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